連載 保健婦と患者心理・9
在宅患者の保健指導のために
在宅患者の心理的環境—登校拒否児をめぐって
加藤 千代司
1
1岩手県立盛岡短大
pp.76-80
発行日 1967年10月10日
Published Date 1967/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204051
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火星人が地球人の生活を見て,まっ先に,強く印象づけられることは,「共同生活」ということだろうと考えられると言ったのはカートライトとザンダーである。たしかに,われわれ地球人は集団の中に自己の生活をもっているのであり,その集団に誇りを感じたり,また威圧をうけたり,喜びを感じたり,悲しみを味わったりして生活しているのである。
存宅患者の心理をよりよく理解しようとする時私たちはどうしても,患者の生活している環境を問題にせずにはおれない。患者は家庭という環境のなかで生活しているのであるから,その生活の基盤から発生する刺激に応じて,自己の心理的環境を形成するのである。
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