メディカル・ハイライト
小児外科
平井 慶徳
1
1順天堂大学小児外科
pp.58-59
発行日 1967年8月10日
Published Date 1967/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204006
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わが国における小児外科
わが国において「小児外科」という言葉は,現在でこそ,保健医療に従事している人のみならず,一般社会においても,ごく限られた人びとには知られるようになってきた。しかしなお,その正確な意味のみならず,その存在すら知らずにいる人が,少なくない。われわれは「小児外科」という一つの新しい分野を説明するさいには,「小児科」のことを小児内科という。そうして「内科」,「外科」というものが,疾患の治療において車の両輪の働きをしていることは大人の場合には誰でもが知っていることであるのだから,小児においても小児内科に対して小児外科は不可欠のものであると説く。するとはじめて半分納得したような顔をする。しかしこれは,わが国における小児外科学発展の歴史をふりかえった時には当然のことかも知れない。
すなわち,昭和31年4月,日本外科学会総会において,小児外科学のなかでもっとも重要な,新生児外科に関する報告が,東北大桂外科,および賛育会病院外科から行なわれたが,この時は珍らしいという事だけであった。
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