特集 保健婦の臨床研修
はなしあい
臨床実習・保健所実習から学んだもの—公衆衛生院,1年コースの学生は語る
栗山 仁子
1
,
中村 節子
2
,
山本 博子
3
,
茅野 泰子
4
,
種田 千恵子
5
1聖ルカ看護大学
2国立熊本病院
3愛媛県宇和島保健所
4福岡県飯塚保健所
5北海道留萠保健所
pp.40-46
発行日 1967年7月10日
Published Date 1967/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203979
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患者中心の看護がいかに行なわれているか
●患者のニードを正確に把握しなければ
中村 保健所実習に行って感じたことは,私,選んだのが結核だったんですが,患者のニードを正確にとるということを,痛切に感じたんです。というのは,病院で手術中に,ストマイをずっと打ち続けていて難聴になったんでず。手術後なん日かたって頭痛がするとか耳鳴がするとか訴えたんだけど,看護婦が,それを患者のわがままだととって,ストマイをやらないと病気がなおらないからとぜんぜん耳が聞こえなくなるまでずっと続けて,やっとわかったというような患者さんが,いま家庭で療養しています。そういう点から,患者のニードをあやまった治療がいかにおそろしい結果を生むかということ,ニードを正確に把握するということを,あらためて反省したんです。それと,保健所に実習に行って,記録のとり方というものの重要性を再認識したんですが,たとえば,保健所のビジブルカードが,指導事項なんかにごく簡単にしか書いてないわけです。同じ人がずっと継続していれば何を指導したか自分でわかっているでしようが,他の人が見た場合患者との接触も少ないし,その人が患者にどれだけ受け入れられたかという患者の反応もつかめないし,この記録というのは病院の記録でも同じじゃないかと思うんです。現在の病院の記録は,ほとんど医師のための記録に終ってしまって,看護婦のための記録でないような気がします。
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