特集 肥満をさぐる
肥満児—赤羽小学校における実態と指導経験
守屋 ミサ
1
1東京都港区立赤羽小学校
pp.35-39
発行日 1967年5月10日
Published Date 1967/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203927
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I.はじめに
戦後,経済の復興とともに食生活も改善され,児童の体位の向上はめざましい。反面,この数年来,都会の学校に肥満児が目立ってきた。都心にある赤羽小学校も例外ではない。どのクラスにも2,3名の肥満児がいて,運動会の徒競争の最後にヨタヨタとついていく姿や,山登りにみんなにおしあげられたり,途中で落後する姿がみられる。また,身体計測の一覧表を教室の壁にはっておくと,「それを見るのがはずかしくて学校へ行きにくい。」とこぼすおかあさんがあったり,子どもたち自身も相当抵抗を感じているらしいことがわかり,41年度の赤羽小学校の保健計画のなかに「肥満児対策」をとりいれることになった。
はじめてから1年で十分な効果をあげ得たとは思われないが,反省の意味を含めて実践の結果をのべたいと思う。
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