特集 肥満をさぐる
肥満児対策
石河 利寛
1
1東京大学医学部保健学科
pp.31-34
発行日 1967年5月10日
Published Date 1967/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203926
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最近肥満児が増加して各方面で関心を持たれているのでその対策や指導について述べよう。肥満児を取り扱う場合にどの子供が肥満児に該当するかが問題となるが,このことは必ずしも学者の見解が一致しているわけではない。肥満というのは常識的な概念であるから,じっさいに肥満した子供が選ばれればよいわけである。東京都教育庁では身長別平均体重+2シグマを採用している。これによって東京都養護教員部会で約62万人中1万人の肥満児を選出しているが,これは対象児童生徒の約1.6%に当る1)。多くの臨床家は性別身長別平均体重の20%をとり,肥満の基準としている2)〜5)。石河はRohrer指数160以上を持って肥満と定義し6),平用は肥満痩係数と運動能力の両方肥満児を選定するべきことを主張している7)。また細川勝木は皮下脂肪厚を採用して判定基準としている8)。このように判定基準によって出現率が異なるのは当然であるから,肥満児の出現率は大まかに数パーセントと考えておいて,ここでは選ばれた肥満児をいかに扱うかということを中心に話をすすめよう。
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