地域活動レポート
赤羽保健所の保健婦活動—成人病予防(その1)
安田 美弥子
1
Miyako YASUDA
1
1東京都北区赤羽保健所
pp.490-492
発行日 1981年6月15日
Published Date 1981/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206337
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●ねたきり老人の実態調査で実情を知る
昭和50年代に入り,ねたきり老人対策が各地で盛んに行なわれるようになってきた.北区においても,ねたきり老人訪問看護事業が計画され,それに先立ち,管内のねたきり老人の実態調査が昭和53年7月〜11月に実施された.質問紙による下調査と保健婦の全数訪問による実態調査で,老人とその介護者の生活状況がかなり詳細に把握できた.
この調査で保健婦が出合った老人たちは平均年齢が男で73.5歳女で80.0歳とかなり高齢で,10年以上ねたきりの者が17%と臥床期間も長期にわたっており,ねたきり老人の介護によって家族の日常生活にも物心両面で負担が認められた.53歳の時に脳卒中の発作を起こし,それ以来枕元の小鳥を眺め,介護している妻に当たりながら20年間ねたきりでいるA老人,発作後に伊豆のリハビリテーション専門病院に1年間入院して歩けるようになって帰宅したものの,公団住宅の3階の住まいから外に出るのが困難なため家に閉じこもり,風邪をひいたのをきっかけにねたきりになったB老人,脳梗塞の発作後に安静にしているようにという医師の指示を忠実に守りすぎて,手足を伸展させたまま板のように身体が固まってしまい,寝返りもできないC老女,などなど…….
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