付録
カレンダー解説 ルノワール〈1841〜1919〉「裸婦胸像」1890年ころ
pp.56
発行日 1967年4月10日
Published Date 1967/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203909
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ルノワールの作品では,ふくよかな裸体画がよく知られているが,その作品の多くは晩年の作で,若い頃はあまり裸婦を描いていない。この「裸婦胸像」を描いた頃から,裸体画の数と質とが飛躍していく。
ルノワールの絵は,見る者におだやかに反応し,すらすらと何の抵抗も感じさせない。この絵のまるみのある量感も,ごく自然にむぞうさに描かれたようにみえる。しかし実際には,いろいろな要素がいりまじって,それがこの絵に品のある調和をあたえている。
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