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pp.29
発行日 1968年4月10日
Published Date 1968/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204164
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赤いセーターの娘
コロー<Jean-Baptiste-Camille Corot>1796-1879
コローの1845年から1850年頃の作品といわれる。コローの人物画は念入りな仕上げを考えない気持ちのよい即興的な筆致をそのままとどめている。明度の近い色を配り画面を安定させているが,この絵も胸もとの白い上着と本,背景の白い線がアクセントになっている。
コローはフランスの画家。風景画家として知られるが,一方,人物画にも多くの秀作をのこしている。1796年パリに生れ,26歳で画家を志し,のちイタリアに遊学,古典的な風物に魅了されるとともに自然を師として技術をみがいた。〈ナルニ橋〉でサロン登場。以来フランス画壇に確固たる地位をきずき,79歳パリで没した。彼の芸術の特色は写実主義とロマン主義の混合という時代様式のなかに古典的理想主義を加えているところにある。代表作にく聖アンジェロ城〉〈マントのながめ〉〈真珠の女〉などがある。
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