研究報告
管理検診勧奨における保健婦家庭訪問の効果
木村 亮太郎
1
,
森山 美津子
1
,
石井 正臣
1,2
,
渡辺 サツ
1
,
鈴木 りう
1
,
北島 はな子
1
,
江沢 ふく
1
1千葉県鴨川保健所
2千葉県鴨川保健所予防課
pp.46-50
発行日 1966年11月10日
Published Date 1966/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203786
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結核管理検診の有する意義と,その重要性については,今さら論をまたない。しかし,現実問題として,保健所がこれを実施するにあたっては,検討すべき多くの要因が存在する。千葉県鴨川保健所における結核管理検診は,昭和37年度には該当者の41.9%が,また,同38年度には38.8%が,それぞれ受診したのみで,決して良好な成果とはいえなかった。しかも,37年度138名の受診者中25名(18.1%),38年度135名中19名(14.1%)の要医療者が発見されている。このことからも,なおかなりの問題を有する者が,検診未了者群に含まれていることは,十分に想像されるところである。
私たちは,過去両年度における管理検診が,およそ1ヵ月間の期日を定め,距離的に保健所に近い該当者に対しては家庭訪問,また,遠い地区の者には封書による文書連絡をもって勧奨にあたったことから,昭和39年度は,年間を通じて,該当者の実態調査を兼ね,家族に対する衛生教育を行ないながら,保健婦家庭訪問による勧奨方法を採ることとした。すなわち,管理検診の成否を決する要因のなかにある,勧奨法の検討もまた,必要であると考えられたからである。
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