社会の窓
ゆらぐ父の座
野口 肇
pp.64
発行日 1966年8月10日
Published Date 1966/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203722
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6月の第3日曜は「父の日」でした。ことしは6月19日にあたりました。この「父の日」を提唱したのは1940年,ワシントン州のジョーン夫人というのが「母の日」「子どもの日」「年よりの日」があるのに「父の日」だけがないのは片手落ちと「同情」し,妻子からの「恩恵」としてさだめられたものです。具体的にはなにをするか。母の日とちがって別にカーネーションをおくるわけでなし,ごく一部で妻子がヘソクリや小づかいをもちよって父にネクタイでも買ってやる程度です。それもよりによって夏のボーナス支給期間ときているのはヒニクです。
ああ,かわいそうな父親!げんにテレビのコマーシャルでも,妻や息子むすめはもっぱらレジャー満きつなのに,パパの任務は財産づくりと断定されています。マイ・カー,マイ・ホーム,そして一式の電機器をそろえよ,というのです。
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