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簡単な疲労測定法
津田 佳世子
1
,
早川 光雄
1東大保健学科
pp.2-8
発行日 1966年7月10日
Published Date 1966/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203683
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"疲れた"という。たしかに顔つきは変り,動作はにぶくなり,考えもまとまらなくなる。身体もねこ背になり,何となくしまりがなくなる。
疲労とは何だろうか。ある人は刺激に対する全身の適応症候性の反応だという。またある人は全身機能の低下だといい,まだ確実な定義は下されていない。その不明なものをどうやって計ったらよいのかは大問題である。疲労についての判定法は今までに100種をこえる方法が示されているが、まだこれ一つでいいという方法はない。それだけ疲労の本態が複雑なのだが,現場をあずかる保健婦や衛生管理者にとって困った話である。そうはいうものの今一番多くつかわれているいくつかの方法がある。本グラビアにのせた写真はいずれもその一つで,なかでもフリッカー値測定法は一番ポピュラーなものである。TAF(集中維持機能)測定法は最近北大の高桑教授によって開発されたもので,まだ研究されている最中であるが,学会でも注目されているとい意味からあえて掲載した。これらの方法に一つの欠点がある。それは高価な機械をつかうということ。しかし一面ではこうした手段をとらなければまだ判らないほど疲労が複稚な現象なのだといえる。
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