コンタクトレンズ(完)
「テレビ」・吉田富三博士・医師
長谷川 泉
pp.41
発行日 1966年4月10日
Published Date 1966/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203625
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テレビの「源義経」は「太閤記」に続いて茶の間の話題をさらっている.「太閤記」で女性ファンに圧倒的な人気のあった織田信長が姿を消した時,NHKは女性ファンからの「信長を殺しちゃいやよ」という投書によって,本能寺の変の場面をあとにずらして,信長登場の見せ場をかなり引っぱったが,「太閤記」において信長を殺さぬわけにはゆかぬ.ついにテレビ画像では本能寺の変は冷酷な現実となり,女性ファンの溜息を洩らさせた.
「源義経」の視聴率は「太閤記」をはるかに上まわっているという.評判のこのテレビ「源義経」の演出を担当している吉田直哉氏は,人も知る癌研所長吉田富三博士の長男である.吉田富三博士といえば,恩賜賞を2度受賞し,若くして文化勲章の栄に輝くすぐれた病理学者である.その吉田肉腫の研究は,世界の癌研究の水準に大きな寄与をなした.実験癌の手法にきわめて便利であるからである.
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