研究・報告
結核患者の治療中絶時における理由追求調査
梅田 真子
1
1大阪市東成保健所
pp.54-56
発行日 1966年3月10日
Published Date 1966/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203603
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東成保健所において,昭和36年から結核患者管理の徹底をはかるため,登録票の切りかえを実施しました.その結果昭和37年度末現在治療状況不明者が841件ありました.それゆえに私どもは治療中絶,あるいは治療状況の実態を把握するために種々の調査を実施しました.調査期間は昭和38年1月26日から2月28日まで行ない,調査方法は各種医療機関との連絡および所内保健婦の家庭訪問によって行ないました.その結果,略治305件(36.5%),転宅,居所不明,死亡238件(28.3%),経過観察,治療中112件(13%)治療中止187件(23%)という結果をえました.そこで治療中止患者187件についてその治療中止理由を追求することが,今後の保健所における結核患者管理および保健婦訪問活動の一助となりうると考え調査を行ないました.
管内登録結核患者は,総数3,030件で,その年齢別分布をみると第1表に示したように,20〜30歳代が圧倒的に多く,20歳代710名,30歳代589名でした.また有病率を検討すると20〜30歳代より,むしろ,50〜60歳代以上の高年齢層が高くなっています.これら結核登録患者のうちで,治療中絶患者187名の年齢分布は20歳代がもっとも多く43名,ついで30歳代39名,50歳代,40歳代の順となっています.
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