Medicai Hi-lite
注目されるハシカ生ワクチン
H. M.
pp.58-59
発行日 1965年11月10日
Published Date 1965/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203506
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ハシカの流行は変わってきたが
乳幼児期にかかりやすい急性伝染病の中で,届出の義務だけでほとんどなんらの具体的予防対策のなかったハシカにも,ようやく克服へのきざしが見えてきた.
現在浮び上がってきたこのハシカ対策について述べる前に,戦後のハシカの流行について簡単に振り返ってみたい.昭和29年ごろまでの流行は典型的な隔年型で,流行年にはつねに10万人以上の患者と1万人前後の死亡者を出していたが,昭和30年以降はこうした流行型がややくずれて,最近では患者数も5万人前後と半減し,死亡者は約千人を前後するほど激減した.こうした傾向は現在もつづいており,患者数,死亡者数は今後も漸減するものと思われるが,年齢別の死亡者では1〜4歳で男第6位,女第5位を占めており(昭和37年)またハシカ総死亡者の98%は0〜9歳の幼小児で占められていることなど,依然として乳幼児保健問題の重要課題の一つであることに変わりはない.
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