最近の動向シリーズ
衛生教育の最近の動向
中山 嘉恵子
1
,
宮坂 忠夫
1
1国立公衆衛生院
pp.57-60
発行日 1965年7月10日
Published Date 1965/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203437
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はじめに
わが国で,衛生教育が現在いっているような意味でスタートしてから,はや15年もの歳月が流れている.それにもかかわらず,われわれはおうおうにして,衛生教育とはいったいなんだろうかという疑問にぶつかる.
衛生教育の定義もいろいろあるが,衛生教育の窮極の目的は,なんといっても,公衆衛生と同様に,健康の保持増進にあるわけである.衛生教育のやや具体的な目的としては,衛生に関する理解を深めること,衛生に対する態度を好ましいものにすること,衛生上必要な行動を実践することの三つがあげられる.それでは,この中のどこに重点をおくかは,その場合場合でいずれかに置かれるわけであるけれども,やはりこの中で最も主要なのは,態度の問題であろう.実際に,われわれが保健衛生上の問題を解決して健康の保持増進をはかるためには,行政的な手段をはじめ,経済上の援助,技術援助といったいろいろの手段がある.しかし,教育的な手段だけは欠かせないたいせつなものである.
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