読者からの手紙
保健婦に魅力を感じて
三浦 昌子
1
1宮城県立公衆衛生看護学校
pp.9
発行日 1964年6月10日
Published Date 1964/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203122
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組織的な保健婦事業が行政的にも制度化され,ようやく公衆衛生活動に積極的にとり入れられるようになったころに生まれた私は,先輩たちの努力にもかかわらず,大きくなるまで保健婦についてほとんど何も知っていませんでした.幼い目に映っていた保健婦さんは,清潔な感じの,いつも明るいやさしい人というだけで,この人が保健婦として私たちの健康を守るためにたいへんな苦労をしているのだということなど一度も考えたことがありませんでした.しかしこのような現象は私一人だけではなく,日本人全体の国民性ともいえるほど,わが国では私たち看護業務にたずさわる者がおこなっている行為に対して関心が薄く,社会的にも高く評価されていないのはほんとうに残念なことだと思います.
小さいときからの夢を実現させるために,迷うことなく看護学校にはいった私は,先輩たちの話を聞き,自分で実際にいろいろ見聞きしてゆくうちに,何かすっきりしない気持ちにたびたびおそわれました.
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