特集 保健婦と研究会活動
保健所長がとらえる研究会活動
現在の保健婦に欠けているもの—業務研究への2〜3の注文
三沢 博人
1
1新潟・巻保健所
pp.17-19
発行日 1963年2月10日
Published Date 1963/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202747
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1.はじめに
よく「保健婦ほど研修の機会が多いものはない」ということを耳にする.なかには「同じ会にそんなに大勢出なくても,帰つてからみんなに伝達すればよいだろう」と交代で出席するよう指示されたという話もきく.確かに保健所の月例業務研究会,月1〜2回の所内研究会のほか,県でもたれる衛生や国保の研修会,保健婦会の講習や研究会そのほか事業別の講習会や協議会等々,はたからみると,よくも研究することがあるものだとか,保健婦ほど研究ずきなものはないということにもなるだろう.
保健婦活動は社会の移りかわりにしたがつて漸次その幅を広げ,深さを増しながら進展してきたが,ときに本来の目的を忘れ,目標を見失い,波にゆられて流されたり,壁に突き当たり混乱したこともあつた.そのようなとき,公衆衛生看護事業を支え,立ち直らせた大きな力は,業務に対する研究的な態度ではなかつたろうか.現在の研究会活動,とくに月例業務研究会のもち方には,多くの問題があるように思うので,これを中心に書いてみたい.
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