社会技術講座
集団討議の進め方
宮坂 忠夫
1
1国立公衆衛生院衛生行政学部
pp.53-56
発行日 1962年2月10日
Published Date 1962/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202516
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よくいわれるように,日本語は便利で不便だ."集団討議の進め方"という題をいただいたが,まず進め方ということばが気にかかる.「どのようにすればよいか」ということです.といわれるだろうが,「誰が」という主語がない.司会者はどのように進めるか,メンバーはどうするかという立場々々でかわつてくるし,また保健婦さんが母親を10人位集めて話しあいながら指導してゆくといつた場面を考えると,その"進め方"は別のものとなる.要するに,誰が,あるいはどういう立場の人が集団討議を進めるときのことだかわからない.したがつて,集団討議一般論ということで話を進めることにしよう.
もうひとつ.集団討議ということばも解釈がいろいろだ,某県社会福祉協議会が出した"話し合いの進め方"というパンフレットをみると,小集団の話しあいだけでなく,シンポジアム,パネル・ディスカッシヨン,フォーラム,ロール・プレイング,6-6法もふくまれているし,さらにレクチャー・フォーラム,インタビュー・ダイヤローグと,私の知らない方法も含まれている.しかしこのように広く考えることもどうかと思うので,ここでは小集団討議つまり12〜13人でやる話しあいに限つてゆきたい.
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