書評
「公衆衛生必携」を読んで
田中 恒男
1
1東京大学医学部衛生看護学科
pp.61
発行日 1962年1月10日
Published Date 1962/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202501
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医学書院から,表記のような名前の本がでた.尾村・聖成・川上三局長(もつとも聖城先生は厚生省を辞められたが)の監修で,厚生省の現役技官の方々が,専門の分野について行政面を中心に彩筆をふるわれている.ポケット版443頁の内容は,衛生行政の全分野におよび,きわめて親切に記述されている.しかしその反面,法律的裏づけをともなわない部分の解説は,どうも概念的なきらいがないでもない.
以前に某書店から,公衆衛生活動に対する指導書がでたが,その内容とてらしあわせて読んでゆくと,本書のほうが行政担当者にはるかに便利にできていることが判る.それだけに,実用的な面をもつと強調して今までの報告事例や,関係会議で問題になつた点などをつけ加えてほしかつた.そのほうが利用者にとつてより便利だつたと思う.
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