特集 事故を防ぐために
事故防止こそ公衆衛生サービス!
石垣 純二
pp.11-15
発行日 1961年8月10日
Published Date 1961/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202376
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人命軽視の未開国ニッポン
戸塚文子さんが外国旅行中,鉄と石とで乗り越えられぬほどの高さのランカンをきずき,まだその上に浮き袋まで備えてある橋のたもとで,泣けて泣けてしようがなかつたそうです.「こんなにまで人命を大切にしてくれるのか」と感激しての涙でした.
先年,私は佐渡を旅行していて,全島いたるところで橋や道路の改修工事が目についたので聞いてみると,皇太子様が御来島になるので危ぶないところを予算300万円で手入れしているのだという説明でした。皇太子様が渡つて危ぶない橋を,私たちや私たちの子どもが渡つたら危ぶなくないのだろうかと,思わず私は憤然として問い返したものです.
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