講座
疾病統計の利用—伝染病および寄生虫病
松浦 十四郎
1
1厚生省医療課
pp.69-72
発行日 1961年4月10日
Published Date 1961/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202318
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「伝染病および寄生虫病」は疾病分類の第1に分類されています.元来この疾病分類は初めに,「伝染病および寄生虫病」が,それに続いて「新生物」,「アレルギー性疾患,内分泌系の疾患,物質代謝および栄養の疾患」と分類されています.これは部位がどこかに固定していないで,同じ原因であるが,発症する部位が全身の各所におよぶような疾病をはじめにまとめてあるのです.そして第Ⅳ番目から各部位特有の疾患が部位ごとにまとめて分類されるようになつています.
ですからこの「伝染病および寄生虫病」という分類も,伝染病・寄生虫病のあらゆる部位にわたつているものを包括しているのです.ただここで注意しなければならぬことは,上記のような考え方からすれば,微生物による疾患はすべてここに分類されるはずなのですが,必ずしもそうなつていないということです.たとえば「インフルエンザ」,「肺炎球菌による肺炎」などは,それぞれ明らかにビールスもしくは細菌によつて発生する疾患であるにもかかわらず,「呼吸器系の疾患」に分類されています.ですから細菌性であるとかビールス性であるというだけでは,「伝染病および寄生虫病」に分類されるとは限りませんから,十分その点に注意して,その分類内容を見ておいてください.
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