特集 日本の医療制度
医療制度のあり方
水野 近
1
1三井健康保健組合
pp.26-29
発行日 1961年4月10日
Published Date 1961/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202305
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医学の進歩は医療費の増大をきたいし,個人の負担には堪えなくなつてきているので,国家社会の連帯の責任で医療を保障しようとして,必然的に医療の社会化の傾向が生まれてきている.
英ソの国営をはじめとして,医療保険を実施している国ぐには50を越している.わが国も賃金生活者には健康保険を,そうでない人びとには国民健康保険を適用して,いちおう昭和36年度末を目途として,国民全員に医療保険を適用することになつている.自由開業,自由診療制度をとつて,公的な健康保険制度を実施していない米国でも.ブルークロスとか.ブルーシールドのような各種の任意加入の疾病保険が行なわれており,人口の70%以上がこれに加入している.公的強制加入の疾病保険に対する要望が強まつていて,今度の大統領選挙でも,ニクソン氏は現状維持で,ケネディー氏は公的疾病保険を考慮するということで争つたと聞いている.
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