ある読書会の話

　厚生省や看護協会が主催する講習会が開催されるたびに，上京して来られる地方の保健婦さんに逢えるのを，私は一つの楽しみにしている．こちらから出かけていつて，現場で働いている方々と，1日をともにして見たいという念願は日頃から持つているのであるが，なかなかそんなチャンスに恵まれない．そこでつい御上京の節に……ということになつてしまう．

　先日も，精神衛生を中心とする幹部保健婦，助産婦，看護婦講習会に出席された保健婦さん10何人かにお目にかかつてお話をする時を得た．その時，シュンとする程，感激したお話を聞かせていただいた．そのお話の一つを御披露したい．それは，岩手県の工藤幸子さんのお話である．