口絵
もうビッコじやない—日本ではじめて作られた先股脱の映画
pp.2-8
発行日 1961年1月10日
Published Date 1961/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202240
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相川理恵子ちゃんは生後1年6カ月,身長も体重も標準以上の元気な赤ちゃんだったが,保健所の乳児検診で両側の先天性股関節脱臼が発見された。それから,お母さんと理恵子ちゃんの涙ぐましい努力の日がつづく。—手おくれになれば一生涯ビッコになってしまう先股脱を救う道は,いまのところ早期発見と早期治療以外にない。しかもそれについての正しい知識は,必ずしも十分に普及しているとはいえない。
「東京都の調査では27人に1人の高率で,無差別に先股脱の赤ちゃんが生まれている。地方によってはさらに高率を示している。そしてほとんどは女の子だ。だが現在の医学では予防できない。出生後なるべく早く発見して治療すれば,ギプスをはめる必要もなく,特殊なおむつをあてるだけで直ってしまう。発見の遅速で,苦痛も手間も費用も段違いに手軽にすませられる」と,日本公衆衛生協会の内野総一氏は語っている。
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