Japanese
English
研究と報告
空想的な視覚表象が長期にわたり継続した2症例
Two Cases of Fantastic Visual Imagery Occurring over a Long Period
武井 茂樹
1
,
濱田 秀伯
1
Shigeki TAKEI
1
,
Hidemichi HAMADA
1
1慶應義塾大学医学部精神神経科学教室
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Keio University
キーワード:
Pseudohallucination
,
Visual imagery
,
Visual hallucination
,
Schizophrenia
Keyword:
Pseudohallucination
,
Visual imagery
,
Visual hallucination
,
Schizophrenia
pp.79-85
発行日 1995年1月15日
Published Date 1995/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903809
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【抄録】空想的な視覚表象が長期にわたり継続し,病像の前景を占めた2症例を報告した。視覚表象はいずれも青年期に生じ,その内容は空想的,願望充足的なもので,初期には断片的であったものが次第に体系化し,1つの物語に発展した。この視覚表象は感覚的に生き生きとし,持続性,不随意性を有するが,内部の主観空間に現れ,実体性を欠くことから仮性幻覚とみられる。主体に対する支配性,束縛性を有する点からは,フランスでいう仮性幻覚に近く,特に統覚性自動表象ないし影響症候群に相当すると考えた。診断は精神分裂病と思われるが,視覚表象の出現機序について,病態,誘因,認知神経科学などの側面から考察を加えた。
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