--------------------
保健所の新しい生き方
菊地 浩
1
1厚生省公衆衛生局保健所課
pp.11-14
発行日 1960年7月10日
Published Date 1960/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202123
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ここ10数年の間に,保健所は大きく生長してまいりました.昭和25年頃は,保健婦さんが患者の家庭訪問をし,「保健所からまいりました」というと,「うちでは保険はきらいですから」とことわられた例などもあつたのですが,今考えますと,まるでうそみたいな話です.結核,乳幼児死亡の著しい減少や,これに伴う平均余命の著明な延長,あるいは蚊やはえのいない地区の出現等,公衆衛生の発展は,保健所がその大きな役割を果しているといつても過言ではないと思います.
然し,年を追つて増加する保健所の利用度と業務の負荷に,保健所は奔命に疲れて了つているという現状は否めません.今後さらに公衆衛生の第一線機関として名実ともに立派な保健所へと発展するためには,どうしてもここで保健所の業務の再検討をしなければならない時期にきたと考えられます.
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.