特集 母と子をまもる保健婦
家族のなかの子供
問題家族の子供
大竹 太郎
1
1東京都中央児童相談所
pp.100-104
発行日 1959年5月10日
Published Date 1959/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201875
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わたしたちが日常子供のしつけや教育についての問題を扱つていながら感じるのは,子供の異常行動はその多くが人生の初期にはじまる.子供と親の人間関係の中から育つてくるということです.そこで次に考えるのは,このようなよくない関係を子供との間につくる親は異常な人間ではないか,いいかえると問題をもつ子供は問題の家庭,問題の親によつてつくられるということになります.
しかし実際にこのような家庭を扱つていますと,親自身は自分の家庭を問題だとか,まして自分自身に問題があるとか,異常だとかは考えていないのが普通だと思います.ことに子供との関係については世間なみかそれ以上であつても,世間なみ以下と考えている家庭は少ないものです.その上周囲の世間もそう認めているのが普通です.
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