編集者から読者へ
助産婦学会に学ぶ
所沢 綾子
1
1編集部
pp.10
発行日 1958年12月10日
Published Date 1958/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201768
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10月4日,5日の2日間京都で日本助産婦会の第14回学会が開かれて,私も2日間傍聴致しました.感想は素直に云つて大変感心しました.二,三回前の学会とくらべてみると,全く大変な進歩だと思いました.それはテーマの問題よりか,むしろ発表の仕方が上手になつたから"第三者にも訴えて来たのだ"ということが出来るのだと思います.まず,図表を豊富に使うようになつたこと,スライドを効果的に使うようになつたこと,それから8分間という制限された時間の中で自分の云いたいことを云う言葉の選択が巧みになつたことがあげられます.ことにスライドの使用は,どんなに話しても相手に解らせることの出来ない問題を単的に理解させる効果を持つております.大分県の助産婦が発表した受胎調節指導の成果については,まずスライドからはじまります.緑の山々に囲まれた小さな村の風景,それはまず我々にその村の雰囲気を伝えてくれます.平和で美しい,だがあまり豊かとは云えない山村の雰囲気.次のスライドは子沢山に疲れた父親や母親の顔にきざまれた皺,黙々と働く姿が,言葉なしに何かを訴えて来ます.そして次に指導の実際にうつつての話しと,技術に関するスライドが映されます.最後に私達は,適当な間隔を置いて生れた3人の子供と両親の明るい家族の写真を見せられます.この最初と最後の写真の効果は,聴衆の拍手にあらわれておりました.
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