特集 看護制度10周年を記念して
農村保健婦の歩みと今日の問題点
小宮山 新一
1
1川崎市高津保健所
pp.15-20
発行日 1958年7月10日
Published Date 1958/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201677
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昭和23年に保健婦助産婦看護婦法が制定され,新しい保健婦制度が発足して丁度10年になる.日本の保健婦事業も,ようやく正しい軌道にのつて歩み出したわけであるが,こうして成長するに従つて,また絶えず新しい問題を解決してゆかねばならない.
今年の日本看護協会の保健婦会総会において,「国民皆保険に伴う国保保健婦の業務の確立と身分の保障」(兵庫県支部提出)という提案が非常に活溌に論議された.これは,独り農村保健婦だけの問題ではなく,保健婦事業全般からみて,もつと真剣に考えねばならないことである.おそ播きながらも,市町村保健婦委員会が作られて,調査研究を始めたということは,その方向へ一歩踏み出したわけであるが,協会の幹部諸姉も,ただ研究しますで済ませないで,農村保健婦の実態をよく見極め,その熱心な叫びに耳を傾けてほしいと思う.
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