仕事の反省と改善のために
山村における慢性疾患対策の1例—美山村一斉検診概況
鎌谷 とえ子
1
,
今藤 房子
1
1福井保健所
pp.89-92
発行日 1958年5月10日
Published Date 1958/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201650
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従来私共の多くは地区事業の計画,評価を行う場合地区の一般的な衛生統計と組織活動状況によつて進めてまいりました.しかし,地区における公衆衛生組織活動を,より効果的に行うには,一般的な衛生統計に現れていない地区の健康状態も把握し,その対策をたてることが必要だと思います.この趣旨のもとに取り上げたのがいわゆる地域内の一斉検診です.昨年の12月に行われたこの一斉検診事業は,福井市より32kmの山間へき地である美山村の一部で始められました.
先ず運営の実際は総て村当局,青年団,婦人会,区長会,学校の代表によつて結成された公衆衛生地区組織としての,健康美山村建設協議会によつて行われ診断部門は,金沢大学病院,県立病院,村診療所,衛生研究所の協力を得,管理面及び指導面は保健所が担当しました.一斉検診の実施種目は,予診(健康調査)ツ反,胸部X線撮影,検便,検尿,血圧測定,心電図の測定,内科的診療,小児科,婦人科診療,必要に応じて個別指導,後日精密検診,家族ぐるみの保健指導会など,延べ14日を費しました.
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