新刊紹介
—千種峯藏著—「ベツトから見た病院」
金子 光
pp.37-38
発行日 1957年2月10日
Published Date 1957/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201349
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病院管理の問題が日本ではごく最近になつてとりあげられ,論義されているにすぎないのに,著者,千種先生は,すでに20数年も前からその仕事にたずさわつて研究と実施をつづけて来られた病院管理のベテランでいらつしやる.其の先生が,期せぬことから長期入院生活をされる立場になつて,ベツドの中から静かに,詳細に,而も鋭く観察された今日の病院管理運営の状態について意見をのべられている非常に貴重な一書であります.
人院患者を中心として運営されているべき病院のあり方の観察ですから,看護婦のつくり出す看護の実態が最も大きく,且つ重く取り上げられて来ることは当然なのでありますが,特に,「看護のあるべき姿」に対する先生の日頃のお考えが充分にしのばれて,戦後非常な努力をつづけてその「あるべき姿」に到達しようと精進を重ねる私共看護婦に対する深い理解と励ましがうかがわれて力づけられますことは有難いと思います.而も,その考えの中には,ピンピンと急所をつかれている点大いに反省を促されるものが多く考えなければならないと思います.
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