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精神衛生巡回相談に思う
伊藤 圭一
1
1茨城県精神衛生相談所
pp.40-44
発行日 1956年9月10日
Published Date 1956/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201264
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精神衛生巡回相談が精神鑑定を兼ねて,4月1日依り行われ始めた.精神衛生相談所に勤務してより,現在の二代所長,伊藤先生が着任してから,初めての私は所長の介補として,この巡回相談を同行し得た.
4月10日,大子保健所に於て行われた相談であつた.朝8時30分に県庁を出発の予定が,車の故障で,さんざん修理のために待たされた拳句,どうしてもこの車では,大子迄の遠道は行けないと言うことになつて,所長先生,予防課の稲田主事,私の三人は汽車で行くことになつた.途中山方宿役場に於て,1名鑑定があると言うので下車する.役場に着いてみると,鑑定の患者は来て居ない,私達の時間が遅れたので,中間の連絡が取れなかつたのが原因だつた.役場で昼食を済ませ,連絡により,次の大子保健所よりの迎えの車が来るのを待つこと数十分.大子保健所に着いてみると,相談室には,長い時間,相談者が待つていて下さつた.所員の方々に挨拶ももどかしく先生は相談を始める.相談者のいずれを見ても,十代の若い人達であつた.
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