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社会事業学校に学ぶ
丸山 チヱ
1
1社会事業大学
pp.57-59
発行日 1956年8月10日
Published Date 1956/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201248
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一体保健婦業務の中の広さはつきる事がないのではないだろうか.問題は身辺にあふれている.どれを拾いあげてみてもみな健康生活につながるものばかり.と言つてあらゆる問題が保健婦に課せられるなど,その様な労働の偏重があるべき筈はなく,あつてはならないものと思う.が然し真剣にそう考えて村中を馳けまわつていた時代もあつたのだ.時に半面,之は保健婦業務分野外のものではないだろうか.と,そう思うとたまらなく罪意識に苦しみながら.それでも之は保健婦がやらなくて誰がやつてくれるのだ,と思いなおすことを幾度か繰返して.--然し現在尚その点をはつきりつかみ得ずにいる,たまたま先頃土曜会に於て,町の若い保健婦が同じ問題で苦しんでいることを発表された.席上に於て討議されたが,時間の関係もあり,今後の研究課題として残されたのであるが,この日講師としてお招きした鶴見和子先生は,このことについて次の様な助言を下さつた.「そうすることによつて自己解体を来して了つては不可ない.」と.
自己解体,如何にも尤もな言葉である.自分はその最も適切なケースではないのか,と思つてみて冷汗を覚えた次第である.
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