私の抱負

　福祉国家の建設は，戦力を放棄した平和憲法制定以来，わが国家の大目的であります．だから歴代の内閣は勿論，政治家の誰一人としてこれを口にしない者はありません．しかし，その実は羊頭狗肉の策というそしりをまぬがれないようであります．

　ただ今，問題になつております31年度予算をみましても，社会保障関係費は総予算額の1割にも満たない極めて少額で，その規模は別にいたしましてもアメリカの2割，イギリスの3割余に比して貧弱なものであります．特に，公衆衛生の尖端に立つ保健所，就中保健婦—国保，開拓を含めてのそれは，例年増額を呼ばれながら，逆に"大砲予算"に圧迫されて現状維持すらがやつと，という憂うべき状態にあることは，大いに考えてみなければなりますまい．