特集 新会計年度の抱負
38年度の予算編成と抱負
須川 豊
1
1兵庫県衛生部
pp.197-198
発行日 1963年4月15日
Published Date 1963/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202654
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昨年11月,兵庫県へ赴任して,直ちに38年度予算編成に当面した。知事選挙が11月下旬にあったので,経常経費の算定が,財政当局で行なわれることからはじまった。従来のやり方は,各部の重要施策の決定を行ない,それに伴なって,予算をきめるので,知事が当選されて,12月中旬になって重要施策の審議が行なわれた。
赴任早々であったので,従前からの継続や,いきさつのある事業も多いので,各課のプランに従って方針を樹立した。事業を行なうための基盤である保健所の整備,古い建物で困っている衛生研究所の新築などの他に,「衛生行政の浸透施策」などを一つの柱として「衛生行政の基礎確立」という題目が特異なものとして最初に掲げられていた。衛生行政の浸透というのは,保健所の仕事が民衆生活の中にとけこむ方途を講ずることであって,真に民衆に喜ばれる施策として浮かび上り,気持と行動の両面から協力してもらうために,保健所が地域の人々と相談したり,計画したり,教育する費用を要求するので,予算としては,困難な性質のものである。幸い昨年度予算化された実績があったが,具体的の方法は,種々の事情でまだ充分に行なわれていなかった。
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