講座
予定日をこえた妊娠の問題
中島 精
1
1慶応大学
pp.30-32
発行日 1958年5月1日
Published Date 1958/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201468
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分娩予定日を超えた妊娠に対する処置については,産科学では古くから取り上げられている問題で,欧米においても,今日取り扱われている未解決の問題であります.我国においても,戦後安藤教授は私共の意見に対し,小畑博士は,自らの多数の経験及び,統計学的方面から反対せられており,最近もこれに対する発表があつたのでありますので,この問題を少しく述べる次第です.
何故に分娩予定日を過ぎた妊娠が問題となるかは,われわれは妊婦を診察観察しておる中に,稀に分娩予定日(最終月経から)を3週間以上過ぎたものにおいて妊娠中,または分娩中に胎児死亡を来したものを経験するので,どうも3週間,即ち最終月経から43週以上(300日)を過ぎたものは突発的に危険が起る可能性があるから,3週間以上延びた場合は早く分娩させた方がよいというのです.
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