講座
新入学児童への注意—(1)教師のために
重田 定正
1
1東京大学教育学部
pp.53-56
発行日 1956年4月10日
Published Date 1956/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201160
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Status praesensを知る
新入学児童の心身がどんな現状にあるかを,なるべく早くかつ正しく知るようにつとめる.これは第1学年児童の担任教師ばかりでなく,全校あげてのチームワークでなければならぬ.正しい治療に正しい診断が先だつべきように,正しい教育を新入学児童に行うためには,まず彼等の現在の(Praesens)状態(Status)を的確にしなければならない.
それゆえに,第1学年の定期身体検査は厳格に行いたい,ある優秀な教育映画でさえも教室や運動場における学習指導にくらべて身体検査の画面教師の活動が甚しく消極的であり受動的であるような印象を与えていた.新入学児童(これからはまぎらわしくない限り子どもたちと呼ぼう)を知る1つのかぎとしての身体検査はもつと高く評価されなければならない.
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