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公衆衛生の動き
pp.44-45
発行日 1955年12月10日
Published Date 1955/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201078
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☆BCGの経皮接種
BCG予防接種の効果,重要性は,結核対策の上から,論なく認められてきた.しかし,BCG予防接種の実施に一つの大きな障害になつているものがある.それは,BCG潰瘍の問題である.この問題にとっくんで,BCG接種調査協議会では,今まで,検討を重ねてきたが,先般,過去一年にわたるその研究成績を発表した.それは,BCGの経皮接種の問題である.BCGは種痘と同じく,生菌を使用するので,種痘が現在,乱刺法,乱切法によつて行われているように,皮内注射にかえて乱刺法,乱切法により接種を行い,潰瘍等の副作用を軽減できないか,というのがこの研究の趣旨であつた.
結果は,乱刺法は,皮内法と同様に十分免疫効果をあげ,しかも潰瘍発生率は皮内法に比べて,低いことがわかつた.乱切法の方は,潰瘍発生率は,他の二法に比して一番低いが,同時に,ツ反応陽転率も低い.
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