講座 今月の病氣
アリボフラビノージス
中村 兼次
1
1関東逓信病院小児科部
pp.10-14
発行日 1954年9月10日
Published Date 1954/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200795
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1.ビタミンの役割
食物が消化,吸收されたのち,血液,淋巴を通つて組織に入り,一部は体の構成にあづかり,他はエネルギーの源となり,不用のものは排泄されるという一連の化学変化--これは普通物質代謝といわれるが--は,合成的な同化作用と,分解的な異化作用に大別きれる.
然しよく考えてみると,この同化作用によつて体成分が合成されるとしても行く行くは又分解されてしまうので,結局のところ体内では不断に化学的に分解が行われているということになり,この反応は体内の酸化ということが中心になつていると考えられる.体内で行われる復雑な酸化作用は,もし体が健康であれば,常に円滑にそして完全に行われているが,この推進力となるものが酵素であり,ビタミンであるとされる.
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