特集 ホスピタリストに必要な手技
教育
1.シミュレーション教育と手技の関係—日本導入の鍵は「ファシリテーター」養成にアリ!
重城 聡
1,2
,
野木 真将
3
Satoshi JUJO
1,2
,
Masayuki NOGI
3
1SimTiki Simulation Center, John A. Burns School of Medicine, University of Hawaii at Manoa
2亀田総合病院麻酔科・シミュレーションセンター
3The Queen's Medical Center Hospitalist Group
pp.351-359
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900793
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医療安全と患者中心の医療が求められる一方で,最近では研修医の労働条件の改善も叫ばれている。我々教育者には限られた教育時間内で,学習者(研修医)中心の安全で効率的な教育が要求されている。このような日本の状況のなか,シミュレーション教育を,1つの解決策として導入する施設は増えつつある。航空機パイロット訓練や宇宙飛行士訓練など他業種でも,危機管理や高度な技術習得の教育法としてシミュレーションを応用している点は参考になる。
しかし,医療界ではいまだに指導医の(適切でないかもしれない)やり方を見て学ぶ教育手法*1で,患者の安全や合併症と引き換えに,貴重な臨床経験を積んだことのある研修医が多いのが実情ではないだろうか。一方,米国では効果的な知識・技術習得と医療安全の目的で,卒前教育の段階から教育カリキュラムのなかにシミュレーション教育が組み込まれている。
本稿では,米国で実際に医学生・研修医のシミュレーション教育にかかわっている立場から,今後日本の施設でシミュレーション教育を導入するにあたり参考となることを期待して,エビデンスと具体例を示しながら解説していく。
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