蚊とハエを退治した町—西鄕中學校少年協力会の活躍

　日本海の孤島隱岐島は，歴史的にも有名だが，住民はほとんど小規模な漁業を営み，農作物にも水産物の廢物を貯藏したものを用い，その他，地勢の悪條件や低い生活程度と相埃つて，蚊ハエの発生は著しく，夏の訪れと共に，それとは気づかぬ住民の心に重苦しくのしかかつてくるのであつた．

　この島の中心地，西郷町も，もとよりその代麦的なものであつたが，この町から「蚊とハエのいな町」という夢のような話を如何にして実現し得たのであろうか．その活躍の中心となつた西郷中学校少年協力会の働きを，西郷保健所長さんから伺つてみよう