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「保健婦活動と市町村衛生活動との有機的つながり」のシンポジアムに出席して
pp.44-45
発行日 1953年12月10日
Published Date 1953/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200652
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今回第4回日本公衆衞生学会が岡山に開かれた時の,第1日目の正午に行われたシンポジアムで,私が最も期待して出席したものであつたが,其の結果を概略お伝えしよう.司会は,厚生省山口公衆衞生局長で,正午から午後1時までの1時間を用いたものであつた.はじめに次の2人の発表者が,各10分宛夫々の立場からこの問題の討論の準備となるべき事項について発表があつた,即ち,厚生省小谷保健所課長,伊達岡山保健所長,高見町村医務代表で,これではじめの30分間を使つてしまい,公開討論になつたのは12時半,從つてたつた30分しか討論の時間はなかつたわけである.
高見氏の説明によれば,町は病気がへり,衞生状態がよくなつたが,それについては保健所の援肋があずかつているとのことであるが,具体的に説明がないのでわからない.そこで質問は主として高見氏に集中された.5つ6つ出た質問とそれに対する解答によつて知り得た町の状態は,決して特に惑銘すべき程のことわなく,第一,保健所の指導が満足すべきものであるということだが,実際指導に保健所から所長も保健婦長も,スタフの人すら出ていない.町は国民健康保険組合に加入していないので保健婦はいない.從つて保健衞生の專門家はいない.高見氏のいわれる「よい」という標準はいわゆる一般的によいのであつて,專門的に追究されたものかどうかよくわからない.
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