音樂講座
名曲解説(最終回)
山本 金雄
pp.58-59
発行日 1953年6月10日
Published Date 1953/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200537
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オペラ オペレッタ
オペラOperaを邦語で歌劇と訳しているが,ラテン語の作品という意味から出来ている。16世紀にイタリアで興つた新興芸術で,1600年の「エウリデイチエ」が最初のものとされ,其の後モンテヴエルデ,スカルラツテイを経て18世紀にグルツク,モーツアルト,ベートーヴエン,ウエーバー等の古典的なものから浪漫的のものに移り,ロツシーニ,ペリーニ,ドニゼツテイを経過して19世紀に至りマイエルペール,ベルリオーズ,ワグナーと日本に生れたイタリアのヴエルデイポンキエリマスカーニ,レオンカヴアロ,プツチニに来て現実主義的オペラが完成している。又フランスにグノオ,トーマ,オツフエソバツハ,サンサーン,マスネ,ビゼーに到達,現代では,リヒアルト,シュトラウス,ドビユツシイ,ルビンシテイン,グリンカ,ダルゴミンスキー,チヤイコフスキー,リムスキーコルサコフ,ボロデイン,ストラヴインスキーに達している。
さてオペラはオーケストラを舞台上の所作を伴つた聲樂の結びついたもので,舞踊,演技,舞台装置,衣裳,をもつた綜合芸術で,聲樂はソプラノ,メゾソプラノ,アルトの女聲とテノール,バリトン,バスの男聲の個々の獨唱,重唱,合唱より成り,オーケストラは,序曲,前奏曲,間奏曲など獨立したものと,歌の伴奏とに別れている。
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