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公衆衞生の動き
pp.43-44
発行日 1953年1月10日
Published Date 1953/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200439
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總選挙は自由党がかろうじて過半数をしめて政権を獲得したが,鳩山派,吉田派の争いから大臣始め政務次官,国会の委員長の人選が非常に遅れた.この結果山県厚生大臣,越智政務次官,平野厚生委員長の決定をみたが何れも今まで厚生行政にあまり関係のなかつた人達だけにあまり多くを期待することはできない.たゞ,今次選挙では追放解除者の多数当選に国民の選挙に対する関心の増大から衆議員議員の質もそろつてきて,厚生委員会のメンバーにも今までにみられない厚生行政に対する理解者が増している.また,自由党,改進党,左右両社会党の何れをとわず,今次選挙のスローガンに社会保障問題を多かれ少かれ取上げたことは厚生行政の発展の上から誠に喜ばしいことであつた.
通常国会に呈出をめざして厚生省では数多くの法案を準備中である.新呈出,全面改正,一部改正とそれぞれ内容は異なるが公衆衞生に関するものだけでも伝染病予防法,結核予防法,清掃法,食品衞生法,狂犬病予防法,と殺場法,衞生検査士法等の多くを数えている.もつとも之等のうち実際には幾つ国会に持込まれるか今のところまだ分らないが実際に法律を運用するものにとつては誠にやつかいな話である.戦後雨後のたけのこのように現れた法律も連合軍の指令があつたとはいえ政府でも国会でも一応検討はしている筈である.
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