特別記事
映画『ドバルダーン!エレファント』に学ぶ愛と平和のヘルスプロモーション
蝦名 玲子
1
1グローバルヘルスコミュニケーションズ
pp.1046-1053
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100197
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今年7月末,東京都内で映画『ドバルダーン!エレファント』の試写会が催された(「ドバルダーン」はクロアチア語で「こんにちは」という意味)。この映画は,「旧ユーゴ内戦で象を失ったクロアチアの動物園に,平和と友情の気持ちを込めて象を贈ろう」という活動の顛末をドキュメンタリータッチで描いたものである。日本,スリランカ,セルビア,クロアチアの人びとの,言語や国境を越えた心のつながりを映像で見せてくれるステキな映画だ。
試写会には,友情出演していたアメリカ人医師・道化師のパッチ・アダムスも急遽来日し,会場に駆けつけた(パッチは,10代後半に自主入院した精神病院で,愛と思いやりの持つ力に気づき,退院後に医師となった。以後30年以上,笑いをとおして患者と信頼関係を築き上げる独自の方法で,無料の医療活動を続けている。パッチの半生は,1998年にハリウッドの喜劇俳優ロビン・ウィリアムスの主演で映画化され,世界的に脚光を浴びた)。
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