民間事業者が市町村保健センターを管理する時代の到来―「地方自治法の一部を改正する法律」の成立を受けて

　行政機関が直接住民にサービスを提供していた，高齢者に対する市町村福祉行政の主な部分が，平成１２年，介護保険に移行した。これを受け，障害者に対する福祉行政の主な部分が，平成１５年から支援費制度に替わった。

　このように，行政機関が直接住民にサービスを提供していることへの検討が進んでおり，その１つとして地方自治法の改正が６月１３日成立し，公布の日から起算して３月を超えない範囲内において政令で定める日から施行されることになった（法律番号８１）。

　この法改正は，市町村保健センターの管理，さらに保健師の身分にも大きな影響を与えると予測される。いま保健師は，その影響への準備を怠ってはならない，と筆者は考えている。そこで，本稿では，制度の改正について簡単に解説し，保健師の業務，身分についての私見を述べたいと思う。