特集 精神障害者への初期支援・緊急対応
精神保健福祉活動における初期介入に必要な保健師の視点と援助技法―出会いと危機介入の展開
新村 順子
1
,
柏木 由美子
2
1東京都精神医学総合研究所精神看護研究部門
2東京都狛江調布保健所
pp.916-922
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100172
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「助けを求めるサイン」を見逃さないために
人はその症状や病気が,自ら受け入れがたいものであったり,周囲に影響を与えるだろうと予想されるときには,受診や相談行動を起こす気持ちになるまでに時間を要する。とくに心の問題,精神保健上の問題は,そのハードルが高く,保健師のもとに相談が寄せられるまでに,長い時間の経過やいきさつがある事例が多い。
またそういった人たちは,「助けを求めるサイン」をさまざまなかたちで発するが,これらは受け手にわかりやすく発信されるわけではない。近隣への迷惑行為やほかの人に対する攻撃,拒絶,ひきこもりといった,一見援助を求めているとは思いにくいかたちで表現されていることもある。
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