連載 めざすは正義の味方 月光仮面 福祉の現場から・5
飛べ!! フリスビー
内山 智裕
1
1埼玉県立大学保健医療福祉学部社会福祉学科
pp.800
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100143
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大学1年次に,S県内の知的障害者授産施設での実習を体験した。私が知的障害がある人と触れ合うのはこのときが初めて。もちろん身構えた。どんな人たちだかわからないし,どんな行動をとるのかわからない。これぞザ・偏見。
とにかく物見遊山で行った。実習なのに物見遊山なんて担当教員に知られたら怒られるだろうな。実習は分厚い一枚板でできた机が並ぶ作業場で,利用者と実習生が交互に座って同じことをする。プラスティックの型と型を組み合わせる単純作業だ。1時間やっては休み,1時間やっては休む。その繰り返し。彼・彼女はほぼ毎日この作業を続けている。飽きているのか,楽しんでいるのか,どんな気持ちだろう。でも仕事なんて,楽しいことはあまりない。
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