特集 働く人のメンタルヘルス
事例1―産業精神保健における保健師の活動―予防から有病者の職場適応支援まで
遠藤 俊子
1,2
1元 NTTドコモR&Dセンタ健康管理室
2現 労働福祉事業団東京産業保健推進センター
pp.400-405
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100074
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産業精神保健とは,働く人々の精神健康の保持・増進や精神健康不全の予防と有病者の職場適応支援などを中心とした実践的保健活動である。支援の対象は種々の労働環境条件におかれたさまざまな健康段階にある働く人,1人ひとりであり,個で形成される集団であり,集団を動かす組織である。産業精神保健チームにおける保健師は,これら多様な対象の生活概念としての精神健康に目を向け,ニーズを引き出し,働く人々が職場環境に適応し,労働を通してのQOLの向上を目標に,他職種と連携して個人や環境に働きかける。
バブル崩壊後,労働環境の変容が急速に進むなかで,労働者には環境変化への適応の努力が求められ,1人ひとりの業務負担は質量ともにかなり増加している。このような現状のなかで,産業精神保健を担う各職種への期待は大きい。
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