特集 産業精神保健
職場の精神保健相談
中村 豊
1,2
1福岡大学病院健康管理科
2九州電力株式会社中央健康管理
pp.775-778
発行日 1996年11月15日
Published Date 1996/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901586
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はじめに—筆者の立場
過去40年間,九州一円を管轄する電力事業体(現在従業員:約15,000人)の,精神保健を担当する健康管理医として,筆者は今までに約1,100例の精神保健相談を受け止めてきた.その大部分は相談者の上司や,産業医,保健婦,衛生担当者など,職場の健康管理関係者の紹介によるものであった.これに対し,相談者本人,あるいはその家族,つまり本人サイドから,直接問題を提起される例は,まれであった.
このような,産業精神科医としての筆者の経験を基にして,以下,精神科医でない職場関係者が精神保健の問題や,その問題に悩む本人にかかわる際の留意点につき,述べていきたい.
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